経営指針

会社に現預金はいくらあれば安全なのか【コロナでの経験をこれからに活かすために】

 

素人でも緊急事態宣言が続くだろうと思っていたところ、やはり延長されるようですね。

緊急事態宣言が1ヶ月程度延長するとの報道もでており、5月4日にも最終判断するとのこと。

また、ゆるゆるな自粛期間がさらに1ヶ月延長されるのでしょうか。それとも今回ばかりは本気で人との接触8割減を実現するため、より強い自粛要請をおこなうのでしょうか。

いずれにしても、今回ばかりは、緊急事態宣言の延長と同時に補償をセットで考えないと、中小企業はバタバタ倒れますよ。

 

さて、本題に入ろうと思いますが、会社はこのような状況でも倒れないために、いったい現預金をどれぐらい持っていれば安全なのか。

いまをどうするかでいっぱいいっぱいかもしれませんが、やはり、これからを考えることは大事です。

これからの経営を考えるのに、まずは現預金の考え方を見直してみませんか。

 

現預金は、いくらあれば安全なのか。

業種・業態を無視して荒っぽくいうと、「月商の3ヶ月分」とか「総資産の3割」という指標が一般的ではないでしょうか。

わたしは新型コロナウイルスの影響を受けるまでは、「総資産の3割」で良いかなとの考えでしたが、アフターコロナの状況では、究極的には「月商の3ヶ月分」とか「残せるだけ残す」という方が良いのかなと思い始めています。

以下、このあたりの考えの変化をまとめてみようかなと。

 

会社に現預金はいくらあれば安全なのか

今回の緊急事態での政府の対応を見ていても明らかで、やはり、自分の身は自分で守らないといけません。

緊急事態でセーフティネットを利用しようにも、特別融資、補助金などでも申請から入金まで2~3ヶ月かかるのが当たり前。その2~3ヶ月間どうします?どうしていました?

経営者なら、今回の経験を活かし、より内部留保を目指すことになるでしょう。

やっぱり、「キャッシュ・イズ・キング」、「キャッシュフロー・イズ・クイーン」。

この考えになるのは自然な流れですよね。

小難しいことを考えなくても、やっぱり、経営や財務の理論、理屈ってこれだけで良いのかもってかんじです。

 

現預金は月商の3ヶ月分という考え方

このような同じ条件下で考えてみます。

例えば、粗利/月1,000万円、売掛金の入金条件と、買掛金の支払条件を1ヶ月と想定すると、業種別には下記のとおりとなります。

 

粗利率 月商 売掛金 買掛金
卸売業 10% 1億円 1億円 9,000万円
小売業 20% 5,000万円 5,000万円 4,000万円
製造業 30% 3,400万円 3,400万円 2,400万円

 

売掛金は入金待ちの債権、買掛金は支払いを待ってもらっている債務で、その差額は運転資金です。

なぜ、この差額が運転資金として必要なのかというと、ほとんどの商売のサイクルが下記のようになるからですね。

 

商売のサイクル

買掛金による商品や原材料の仕入れ

売掛金による商品や製品の売上

買掛金の支払い

売掛金の回収

 

このように、ほとんどの商売が、先に原価の支払がやってくるので、その補填として運転資金が必要になるということです。

 

話を戻して、月間の粗利が1,000万円の会社は、業種問わず、支払・回収条件が同じだと、必要な資金需要は1,000万円なんですね。

それを月商3ヶ月分の現預金が必要となると、卸売業では3億円、製造業でも1億円必要になります。

月商の3ヶ月分となると、とてつもない金額目標になっていたんですね。

流動比率(短期的な債務の支払い能力の指標で、「流動資産÷流動負債×100」で求める)目線では、一般的な目安として、150%で比較的支払いに余裕ありとされ、200%になるとほぼ安全で理想的とされます。

高ければ高いほど安全で良いのではと思うかもしれませんが、月商の3ヶ月分の現預金を持ってしまうと、お金や資産を寝かせている、経営センスのない経営者ということになってしまっていたんですね。

 

ただ、これはあくまでコロナ前までの一般的な考え方。

コロナを経験したアフターコロナの状況では、これまでの考えは通用しなくなるのかもしれません・・・

現預金は月商の3ヶ月分とまではいかずとも、ここを目指すべきなのかもしれません。

 

現預金は総資産の3割という考え方

現預金は総資産の3割という考え方は、税理士業界では有名な古田土先生によるものらしいですね。

知らなかった笑

 

総資産とは、なんとなくイメージできますよね。

そう、ざっくりいうと会社の全部の資産です。

また、総資産の反対側、つまりその資産の調達源泉である、負債と資本も会計上必ず同額なはずです。

この考え方は、負債を買掛金などの支払債務と金融機関からの借入金に分類することで、調達源泉を流動負債、固定負債、自己資本の3つに区分し、それぞれ1/3の割合を目指すというもの。

 

例えば総資産1億円の会社で、この考え方に従うと、現預金は約3,400万円となり、金融機関からの借入金である固定負債も同額なので、実質無借金となる。
また、自己資本も必然的に30%となるはずなので、健全な範囲といえます。

 

わたしもこれまでは、中小企業の理想はこれかなと思っていましたが、新型コロナウイルスで考えが変わりました。

企業活動がこれだけストップするなんて想定できませんでしたからね。

ただ、現預金を総資産の3割というのも結構厳しいハードルなんですよ。

しかし、このコロナの状況では、手元資金の重要性が痛いほどわかったはず。なので、目指さないといけません。

まずは現預金を総資産の3割持つということを目指しつつ、最終的には月商の3ヶ月分、そして残せるだけ残すという考え方がスタンダードになるのかもしれませんね。

 

まぁ、すべての会社がそうなると景気が悪くなってしまうので、国は税制を使って会社のお金を引きはがしにかかるんでしょうが、当分は内部留保が進むのかなと予測できますよね。

 

まとめ

会社に現預金がいくらあれば安全なのかという考え方をまとめました。

あくまで個人的な考え方です。

そして、理想です。

これからは、経営者の方、我々税理士も、理想の実現に向けてどういう方法があるのかを真剣に考えないといけませんね。

 

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