雑感

パチンコ店が休業要請に応じられない理由【おそらく資金繰りが厳しすぎるという事情があるのかなと・・・】

2020年4月23日

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、様々なところで休業要請がされる中、一部のパチンコ店がこれに応じられないとして問題になっているようですね。

大阪府では、休業の要請に応じてもらえないパチンコ店については、施設名を公表するかどうか、今週末にでも判断するとのこと。

 

わたしは税理士事務所に勤務していたとき、パチンコ店を数社、担当していた経験から、今回のことで思うことがあります。(パチンコ業界は独特なので、税理士でも、おそらく、実際に担当した方でないと、数字のことなど理解できないのではないかと)

 

パチンコ店は、休業要請に応じないのではなく、応じられないんですね。

理由は資金繰りが詰まるから。

「当たり前やん、それをみんな我慢して、一致団結してコロナの感染拡大防止のために休業するんやん」っていわれると、確かにそうなんです。

わたしも、いまは、休業すべきだと思っています。

ただ、擁護するわけではないんですが、パチンコ店の固定費はほんとうに大きすぎるので、一ヶ月、二ヶ月休業するだけで資金に詰まってしまいます。

 

少しむかしの情報も含まれますが、わたしが思う、パチンコ店が休業要請に応じられない事情をまとめたいと思います。

 

パチンコ店が休業要請に応じられない理由

わたしがパチンコ店を担当していたのは、5年ほど前でしょうか。

そのときでも、市場規模が年々縮小し、結構厳しい状況にありました。

社会的なネガティブイメージもそれに拍車をかけているように思います。

 

さて、大きすぎる固定費はこのようなかんじです。

 

パチンコ店が休業要請に応じられない理由

  • 賃料が相場よりも高い
  • 遊技機の単価が高い反面、半年ぐらいで入れ替えが必要になる
  • 金融機関からの借入が大きいので、毎月の返済が多額

 

はじめに、業界のことを少しだけお話しておきます。

遊技業界データブック2019によると、平均値ですが、2018年度は、1営業所あたりの年間売上高が28億円(遊技台数533台)で、パチンコ、パチスロ含めた全体の粗利率は16%とのこと。

一日営業すると800万円から900万円の売上が確保できるので、売上金額だけを切り取ると、確かに大きいですよね。

でも意外と儲かっていません。

どちらかというと厳しいのかも。

もちろん平均値なので、バラつきはありますが、粗利が16%ということは、1営業所あたり年間4.5億円で資金繰りを回さないといけない計算になります。

4.5億円。

充分やんと思われるかもしれませんが、そんなこともないんです。

これを前提にパチンコ店が休業要請に応じられない理由をまとめますので、興味のある方は読み進めていただければと思います。

 

あと、何度も言うようですが、別にパチンコ業界を擁護しているわけではありませんので笑

 

賃料が相場よりも高い

なんとなく想像できますよね。

やっぱり、地主さんや貸しビルオーナーは、パチンコ店に貸したがりません。

なので、どうしてもパチンコ店は相場よりも高い賃料を負担しなければなりません。

また、当たり前に、パチンコ店は座席数と売上が相関関係にあるので、ある程度の面積が必要になります。

一等地だと、そこまで広くなくても一ヶ月の賃料が、1千万円~2千万円なんてざらにあります。

 

このことから、休業要請に応じて、100万円や200万円の協力金を受取ったとしても、賃料の足しにもならないんですね。

 

遊技機の単価が高い反面、半年ぐらいで入れ替えが必要になる

税法上の遊技機の償却年数は、パチンコ2年、パチスロ3年です。

でも、業界的にそんなに寿命は長くありません。

なかには人気機種もあって、長く使えるかもしれませんが、多くは、良くて半年ぐらいなんじゃないでしょうか。

そして、一台あたりいくらすると思いますか?

いまは新台で平均40万円以上はするんじゃないでしょうか。

ちなみに中古でも40万円以上するものが山ほどあります。

 

これを、ほぼ毎月数台買うか、リースを組みます。

先ほどの533台のホールで、年間1回転すると遊技機だけで年間2億円ほどかかる計算になります。

なので、小規模ホールなんて、こんなに投資できません。

投資しないということは、台はいつもと変わらないので、お客さんも入らず、売上が減少する、そしてまた投資できないといった負のスパイラルに陥ります。

 

金融機関からの借入が大きいので、毎月の返済が多額

この金融機関からの借入金のほとんどは、上記のような固定費などにまわされています。

賃料については、不動産を買い取ることで固定費を削減、遊技機についてはリースを組んだりして、キャッシュの保全を図ったりします。

なので、投資をし続けている以上、このあたりの債務は増えることがあっても、なかなか減らないんですね。

 

おそらく利益のほとんどが債務の返済に充てられているので、現金商売でありながら、キャッシュポジションは極めて低いビジネスモデルなんです。

また、パチンコ店は緊急経済対策の融資を受けられないことも大きく影響しているんだと思います。

 

まとめ

ほかの商売も厳しいとは思いますが、パチンコ店に関しては、売上規模が大きい分、たとえ小規模な店舗でも、固定費の金額自体が大きいんですね。

まぁ、だからといって休業要請に応じられない理由にはならないとは思いますが、お店側にはそういった事情があるということだけ書いておきました。

 

わたしはパチンコをしないので、店舗に行くことはありません。

しかし、パチンコ店は3密かつ、出入りする方も多い。クラスターの危険性が大きく、その事実がわかるのも2週間後なので、いつ誰に感染させるかわかりません。

ここは感染拡大を防止する意味でも休業要請には応じていただきたいところです。

 

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