雑感

誰が引き継ぐ?【事業承継について思うこと】

2019年9月10日

お客さんに連れて行ってもらったBarでの一枚です。

私がいつもハイボールを飲んでいることもあり、色々ウイスキーを教えていただきました。

その中でもお気に入りのものが『ラガヴーリン16年』 。

これは香り、クセが強いため、好き嫌いが分かれますが、私は好きです。
隣にビターチョコレート、水を添えて、ストレートでちびちび飲みながら、会社について色々お話をしています。

 

さて、経営者の方と飲んだ席での会話内容で、必ず上位に入ってくるのが「事業承継」について。
それも「この先、会社をどうしよう」、「誰に引き継いだら良いのか」と、税制、お金がどうこうといったことより根本の悩みが多いような気がします。

そこで今回は「事業承継」について税制、お金についてではなく、個人的に思うことを書いていきたいと思います。

 

引き継ぎたいと思える会社か

個人的にはここがすべてだと思っています。

事業承継の方法として親族内承継、従業員承継、M&Aなど選択肢は色々ありますが、その会社自体「引き継ぎたい」、「買い取りたい」と思ってもらえるか。

勤務していた時に担当していたお客様でも、後継者である息子さんが承継に関して「NO」と表明し、経営者の方は頭を悩ませていました。

このように最近では親族内承継でも難しいようで、中小企業庁のHPにも様々な事業承継関連の情報が載っていますが、どれもが現経営者からのアンケート回答で「引き継ぎ手」「買い取り手」目線でのアンケートがあまりないのが現状です。

では、なぜ引き継ぎたくない、買い取りたくないと考えるのか。
このことに関して、個人的な考えをまとめたいと思います。

 

会社経営(全体像)がわからない

中小企業に多い先代のワンマン経営は事業承継が難しいように思います。

日本的な「仕事は見て覚えろ」。

これでは仕事のやり方がわかっても、何をやっているのか経営の本質は見えてきません。
また、後継者としての教育期間でも意見を聞かない、考えを押し付けるなど一方通行の後継者教育になりがちです。
これではずっと従業員としての感覚のままで、経営者としての感覚は育ちにくいといえるでしょう。

M&Aを想定してもワンマン経営企業は魅力なしです。
社内外に絶大な力を発揮していた先代が去った企業に残るのは、考えることをやめたイエスマンの従業員だけです。
先代に付いていたお客様も一緒に、または徐々に去っていくことが考えられます。

 

資産・負債・財務の状況がわからない

これは先代個人のことも含めての資産・負債・財務状況がわからないということです。

ご相続の際、相続人の方が親の財産状況が把握できていないケースは少なくありません。
事業承継の場合は、会社の資産・負債・財務の状況は勿論ですが、万が一のことを想定し、会社のこと個人のことを伝える、説明する必要があると考えます。

親族内承継であれば、承継できる経営資源である資産(万が一のときの個人資産)、その資産のひも付きである負債や経営者保証を明確にしなければ後継者の事業承継に対する不安は解消されません。

また、M&Aにおいて、資産・負債・財務状況に潜在的な問題があれば、当然に買い手はリスクのない方法を選択しますので、会社全体(株式譲渡)から部分的な事業のみの買い取り(事業譲渡)へ意図しない方向に進んだり、話がまとまらないことも考えられます。

 

まとめ

結局のところ、「引き継ぎたい」、「買い取りたい」と思える会社は、透明性のある会社だと思います。
そもそも情報内容が不透明、説明されてもよくわからない、判断材料がないに等しい会社を「引き継ぎたい」、「買い取りたい」と積極的に事業承継をする理由がありません。

現経営者において、いまから透明性のある企業経営を目指すことは、楽ではないと思います。

しかし、時間がかかり面倒、今の自由がなくなるとの理由で先送りにすると事業承継も先送りになります。

そろそろ考えないといけないかなという方は、まず透明性のある経営を心掛けてください。

透明性のある会社経営の実現は、事業承継対策の第一歩ではないかと思います。

-雑感

© 2021 松澤税理士事務所