少し前の話になりますが、吉本興業社長の会見にモヤモヤ、イライラされた方、多かったのではないでしょうか笑
この人、質問に対する回答がめちゃくちゃやなと。
ずっと会見を聞いていると、「結局なにが言いたいんやろ」、「あれ?質問ってなんやったっけ?」となり、会見をされた社長含め、全員が得をしない会見でした。
質問自体に問題があったのかもしれませんが、聞かれたことに答えるということがいかに大事かわかった会見でした。
さて、聞かれたことに答える、聞かれたことだけに答えるというのは、簡単なようでなかなか難しいことなのかもしれません。
わかりやすくプラスαを補足説明しようとすると、吉本興業社長のようになってしまいます。
でも、一方で、プラスαの補足説明が、質問者の悩みの本質を捉えることもあります。
これが我々のような士業では必要とされる事ではないのかなと思う出来事があったので、まとめたいと思います。
誰もがちゃんと質問できるとは限らない
我々のような仕事は、質疑応答が仕事(サービス)の一部なので、聞かれたことに答える、聞かれたことだけに答えるというだけでは仕事にならないと思っています。
仕事にはなるんでしょうけど、お客様の満足は得られないのかなと。
我々の世界に限らず、質問者は、苦手としていること、難しいと思っていることに関しては、そもそもどう聞いたら良いのか、質問の仕方がわかりません。
また、質問できたとしても、「えっ、なに言ってるのかわからない」、「何度も同じことを聞けないし」、「これだけ時間をかけて説明してくれたのに理解できていない自分が悪いのではないか」と忖度して、理解したような返事をしてしまうこともあります。
例えば、先日、わたしがホームページをいじっていたときの悩みです。
マニュアルで検索してもワードが引っかからないのか、でてこない・・・
・・・・・追加CSSを記載してください???
CSSってなんや??、で、それをどこに記載すんの??
と、こんなかんじでした。
そもそも聞き方が分かりませんし、回答で専門用語的なもんを言われても全くわかりません。
いまは、ネットで検索すると、ブロガーの方が画像を交えて詳しい手順を示してくれたりしているので、そっちの方がよっぽどわかりやすいです。
そこからはあまりこのマニュアルを見なくなりました。
このことを仕事に置き換えてみると、お客様からすると「悩みや問題をどう質問したら良いのかわからないこと」を自分は仕事にしていると常に認識することが大事なのではないかと思います。
なので、聞かれたことに答える、聞かれたことだけに答えるというスタンスでは、お客様の悩みや問題を解決していることにはならないので、ダメなのかなと。
士業は、悩みや問題の本質を明確にすることが仕事
さきほど、ネットで検索すると、ブロガーの方が画像を交えて詳しい手順を示してくれたりしていると書きましたが、ブロガーの方はほんとうにすごいと思っています。
わたしからすると、ほんとうに「プロ」です。
ブログだけで月に数百万稼ぐブロガーの方は、「ブログは書きたいことを書くのではなく、読者の悩みに答える記事を書かないといけない」とおっしゃっていました。
悩みに答える記事というのも、検索される「キーワード」から、検索者のほんとうに知りたいと思っていることを予測して記事を書くようです。
すごくないですか?
例えば「沖縄旅行」をキーワード設定したとすると、「沖縄 4月」とか「沖縄 天候」とか「沖縄 気温」という関連キーワードが上がってくるそうです。
この関連キーワードで検索する方は、「4月の沖縄旅行での服装は何を着ていったら良いのか」ということを、ほんとうは知りたがっているのではないかと仮定してブログを書くようです。
外れること(誰も読んでくれない)もあるそうですが、ブログで生活していくうえでは、ほんとうに重要なことのようです。
わたしの仕事でも似たようなことはあります。
退職金はいくらまでならだせますか?
勘定科目は何になりますか?
聞かれたことだけに答えることも重要ですが、「はじめて退職金を支給する」と言っています。
なので、会社がすべきことや準備しておく書類、退職する役員さんに書いてもらう書類、住民税の取扱いなどを含めた会社の経理処理全般について聞きたいのかなと予測して回答しなければいけません。
質問者の方からすると、はじめてのことなので、「退職金には税金がかかる」ことは知っていても、会社がしておかないといけないことなどは、想像もしていないので質問なんかされませんよね。
質問や言葉の端々から問題の本質を理解して解決することが仕事なんだと思っています。
聞かれたことに答える、聞かれたことだけに答えるという使い分け
これは基本中の基本ですよね。
でも、意識しておかないと、とんちんかんなことをしてしまいます。
要は、早とちりして質問に回答せず、勝手にこれを知りたいんやなと思いこみ、別の回答をしてしまうと吉本興業社長になってしまいます。
わたしの場合、まずは、聞かれたことに答えた後、雑談を通じて、さらに伝えた方が良いことはないかなと確認することを意識しています。
人間て、ひとの話をあまり聞かないと思っているので、意識し過ぎるぐらいがちょうど良いのかなと思っています。
聞かれたことだけに答えるというのも大事ですよね。
これは、その答えだけを早く知りたいのに、余計なことまでしゃべってしまうと、「わかっとるわ!もうええねん!」となってしまいます。
見極めが難しそうですが、これは観察力が必要になるというか、相手の話しぶりからもなんとなく想像できそうですよね。
まとめ
この記事をまとめようと思ったのが、ある社会保険のことで、わたしと嫁さんがおなじことを年金事務所に電話相談したことがきっかけでした。
わたしの聞き方がまずかったのか、わたしの質問への回答は聞かれたことだけに回答されていて、嫁さんのときは、いくつかのラリーでようやくほんとうに聞きたかった回答が得られたというかんじだったんです。
電話の後、回答結果を二人で確認していると、最初のわたしの質問のときに、あきらかにほんとうに知りたいことを伝えているのに、なぜ、その場合はこうすればOKですよと、一言補足説明してくれなかったのかと疑問に感じました。
質問する側の聞き方というのも大事なのかもしれませんが、改めて、質問はストレートに聞かれるとは限らないという認識は持たないといけないなぁと思いました。