経営指針

中小企業でもテレワークが早期実現しそうですね【新型コロナウイルスの影響でですが…】

2020年3月11日

これまで中小企業の多くは、テレワークにあまり興味を示さなかったのではないでしょうか。

それが、現在流行している新型コロナウイルスの影響で変化が起こりそうですよね。

労働者の立場なら、テレワーク導入してくれよ!って強く思いますが、中小企業経営者の立場からすると、法律的な事やシステム導入などで、時間とお金がすごくかかりそうという感じがして、二の足を踏んでしまう気持ちもわかります。

テレワークについて、事業主と労働者双方、このような悩みはありませんか?

テレワークってなに?

会社に来ない!?本当に社員が働いているか不安やわ~

労働基準法や勤怠管理などどうするの?

インフラ整備にお金がかかりそう…

 

なんとなく勤務時間が減りそう、給料が減らない?

もし残業をした場合も残業手当はでるの?

テレワークの場合、業績評価が下がりそうで不安

 

今回は、このあたりのことについてまとめていきます。
また、現在、厚生労働省では、「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース」として、テレワークに取り組む事業主支援の助成が時限的に設けられています。

この機会に、テレワークの概要を把握していただき、助成金など活用しましょう。

 

テレワークってなんだろ

テレワークは、パソコンや情報通信技術を使うことにより、毎日会社に行かなくても、自宅やカフェなど場所や時間にとらわれずに仕事をする、柔軟な働き方をいいます。

ちなみに、このテレワークの「テレ」とは、「tele=離れた場所」という意味で、テレパシーとかテレホンなどの「テレ」と同じ意味だそうです。

テレワークは、下記のように3つの働き方があるといわれます。

 

  • 在宅勤務・・・労働者が自宅で勤務する働き方
  • サテライトオフィス勤務・・・メインオフィスではなく、各地域に小規模なオフィスを設け、そこを就業場所とする働き方
  • モバイルワーク・・・ノートパソコンやスマホなどで移動中や外出先で仕事をする働き方

 

在宅勤務はオフィスに出勤することがないので、労働者の通勤時間がなくなります。これまで通勤に使っていた時間を、子育てや介護、学習など様々なことに有効活用できます。
また、事業主においても、不必要に広いオフィスを構える必要はなくなりますし、労働者の交通費の面でも経費削減が図れます。

サテライトオフィス勤務は、自身が所属するオフィスや部署に行かずに、自宅近くに別のオフィスや部署があればそこを利用できるようにしたり、郊外の遊休施設や空き家などを利用すれば地方活性化なども期待できますよね。

モバイルワークについて思うことがあって、わたしも勤務していたとき苦痛でした。これができればどれだけラクだったことか。

外出先から戻る時、自宅の方が近いのに、一旦、事務所へ戻って少しだけ仕事をして帰宅するということをしていました。
なんとかならんかな~と思ったもんです。
こんなとき、仕事によっては移動中の電車内で済ませることができるはずです。無駄な移動時間を削減できますよね。

ただ、テレワークって良さそうやけど、法律関係とか給料、雇用形態ってどうなんの?って気になりますよね。

 

労働基準法や勤怠管理はどうなるの?

自宅でテレワークをおこなう場合でも、労働基準法や労働契約法、最低賃金法など労働者の権利は保障されているので、心配はいりません。

一方、事業主はこれらの法律を意識しないといけませんので、テレワークを導入する前には、会社の就業規則を整える必要があります。
また、すでに雇用関係にある労働者にテレワークをおこなわせる場合には雇用契約の変更をしなければいけませんし、新規雇用者についても労働条件通知書に明示しなければいけません。

勤怠管理についても、これまでと同様に、通常の労働時間である一日8時間、週40時間が適用されます。各労働者の労働時間の算定については、原則的にタイムカードで始業と就業を確認するようですが、自宅や外出先で難しい場合は、一定要件を満たせば、みなし労働時間制が認められているようです。

 

インフラ整備には助成金もある

労働者にとっては、良さそうですよね。

しかし事業主にとっては、ちょっと負担が大きいのかもしれません。
ましてや体力のない中小企業にとってはかなり厳しいですよね。

ただ、今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、政府も中小企業のテレワーク実現に力を入れるようです。

令和2年3月9日に発表された新たな助成金制度です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html

インフラ整備に必要な通信機器や、就業規則や雇用契約のまき直し、研修費用など一企業当たり100万円を限度に、インフラ整備費用の半分を補助してくれるようです。

予算の都合上、早期に締め切りされる可能性もあるようなので、興味のある方は一度問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

 

テレワークの導入が難しければ、契約形態の変更もアリでは?

テレワークの導入までは少しハードルが高いなぁと思われる方もいらっしゃいます。

そんなときは、労働者との契約自体を見直ししてみてはいかがでしょうか。

例えば、現在、雇用契約関係にある労働者の方と、請負契約や委任(準委任)契約に変更するのも、双方納得のうえであれば、アリだと思います。

雇用契約は、労働者からの労働時間の提供と引き換えに賃金を払います。事業主に指揮命令権はありますが、仕事の完成や責任は負いません。
それを仕事の完成と引き換えに報酬を渡す請負契約にするのか、仕事の完成までは求めないまでも、業務を適切に実施する責任を負わせることができる委任(準委任)契約に変更するというのも良いと思います。

もしかすると、労働者自身も、契約形態の変更を望んでいる方がいらっしゃるかもしれません。

これを機会に、話し合いの機会を設けるのも良いのではないでしょうか。

 

まとめ

中小企業経営者の方は、いまの新型コロナウイルスの状況はとても不安だと思います。

この状況が長引いたりして、イタリアでの移動制限や外出制限なんか発動されると、会社存亡の危機ですよね。
いまの状況が落ち着いたとしても、今後このような事態が起こらないとは言い切れません。その意味でも、テレワークの導入を今のうちに検討してみてはいかがでしょうか。

 

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