中古車が良いって聞いたけどホントのところは?
ベンツはOK?
いくらまでとか金額基準はあるの?
ガソリン代や駐車場代など維持費は経費になるの?
これから車を買うつもりだけど、いつ経費にできるの?
結論的には、会社で車を買えば、耐用年数に応じて減価償却をするので、経費にできます。
さらに、中古車であれば、この耐用年数が短くなるので、より短期間で経費にすることができます。高額な中古車が選ばれるのは、この理由からです。
ただし、中古車であれば何でもかんでもOKというわけではありません。
押さえておくべきポイントがありますので、読み進めていただいて、車が必要な場合は御社でも検討してみてください。
中古車による節税の3つのポイント
押さえておくべきポイントは、以下の3つ。
ココがポイント
そもそも、その車は会社に必要なのか
4年落ち中古車は効果的
購入時期は決算間際ではなく、決算直後が効果的
そもそも、その車は会社に必要なのか
そもそも論は一番大事です。
ここが整っていない場合、いくら他のポイントを押さえていても、税務調査で経費性を否認されると元も子もありません。注意してください。
この記事を読んでおられる方は、経営者の方と思って、話を進めます。
経営者の方は、会社への通勤や取引先へ向かうなどの移動手段として、会社で車を買う場合が多いのではないでしょうか。
移動の際も、社員の方や取引先と連絡を取るので、公共交通機関ではセキュリティ面も含めてなかなか難しいですよね。また、移動先の場所によっては、移動手段が限定されることもあるでしょう。そのために車が必要になるんです。
その車は会社に必要なのかという問いには、経費性が立証できる明確な理由が必要です。
一般的には、上記のような理由が考えられますが、それは会社それぞれです。
これは車に限ったことではありません。
経費全般、なぜこの経費は会社で負担しなければならないのかということは説明できるようにしておきましょう。
4年落ち中古車は効果的
通常、会社で新車を購入すると、6年間(軽自動車の場合は4年間)で経費にしていきます。
減価償却ってやつですね。
例えば、期首に500万円の新車を購入した場合の経費と節税の効果はこんなかんじです。
メモ
経費・・・500万円×0.333=166万円
節税の効果・・・166万円×34%(実効税率)=56万円
償却方法を一般的な定率法、税率は中小企業の実効税率34%で試算すると、一年目の経費は166万円計上することができて、それによる節税の効果は56万円になります。
では、中古車ではどうなるのでしょうか…
中古車の場合、中古資産の耐用年数を使うことができます。
平たく言うと、中古車は使用可能期間の年数を見積もり計算するので、新車を6年間で経費にしていたのが、中古車は最短2年で経費にできます。
さらに、2年の耐用年数での償却率(上記の場合の0.333のところ)は1.0なので、2年と言いながらも一年で経費にできてしまいます。
同じ事例で、期首に500万円の中古車(見積もり耐用年数2年)を購入した場合の経費と節税の効果はこんなかんじです。
メモ
経費・・・500万円×1.0=500万円
節税の効果・・・500万円×34%(実効税率)=170万円
この効果を得るためには、見積もり耐用年数がどのように計算されるのか押さえておいて下さい。
車の場合、下記のように計算します。
その他の資産の場合について、気になる方はこちらを参考にしてください。
計算方法
①6年以上落ちた中古車
6年×20%=2年(1年未満切り捨て、2年に満たない場合は2年)
②6年の一部を経過した中古車
(6年-経過年数)+経過年数×20%
計算式を確認すると、6年以上落ちた中古車は、耐用年数が最短の2年になります。
より新しい中古車で耐用年数2年を狙う場合は、4年落ちであれば見積もり耐用年数は2年になるはずです。
車の性能と節税の効果の両方を取りたい場合は、4年落ち中古車がベストといえるでしょう。
購入時期は決算間際ではなく、決算直後が効果的
先ほどの試算では、期首を想定しました。
なぜ決算間際ではいけないかというと、月数按分が必要になるからです。
例えば、決算間際に購入した場合だと、車の使用期間はせいぜい一、二ヶ月程度でしょう。
そうなると、先ほどの500万円の経費が1/12とか2/12になるので、経費計上額が数十万程度に薄められ、節税の効果は数万になってしまいます。
期首であれば、まるまる500万円の経費が取れますが、購入(使用期間)が遅くなればなるほど経費計上額が少なくなることを理解しておいてください。
車種や金額基準は?経費はいつ計上できるの?維持費も経費にできる?
このあたりも気になりますよね。
順番に確認していきます。
車種や金額基準はあるの?
車種や金額基準は法律で定められているわけではありません。
では、フェラーリやランボルギーニもいけるやんと思った方、注意してください。
実は、車種や金額基準は無いようであります。
それは、具体的な金額で線引きされているのではなく、そもそも、その車は会社に必要なのかという基準です。
会社への通勤や取引先に合うためにフェラーリやランボルギーニが必要でしょうか?
フェラーリやランボルギーニでないといけない理由がありますか?
理由は会社それぞれです。このあたりをちゃんと説明できれば問題ありません。
例えば、会社がフェラーリやランボルギーニを商品として扱っていて、お客様の購買意欲を刺激するために、その車でお会いしているという場合はOKだと思います。
一般的にはベンツやレクサスなどで、1,000万円程度であれば、車種や金額で問題視されることはありませんが、明らかに個人の趣味や嗜好が反映された車の場合は、金額関係なく、その車が会社に必要なのかを考えるようにしてください。
経費(減価償却費など)はいつ計上できるか
たまに、お金を払ったらOKと思っている方がいらっしゃいますが、間違いです。
正確には、事業供用といって、事業で使用したときにはじめて経費にできるので、お金を払った、払っていないは関係ありません。
また、車に関してはガソリン代や駐車場代、定期的な車検代や自動車税や保険などの維持費もかかってきますが、これらももちろん事業に関するものであれば経費にできます。
中古車の節税ではキャッシュフローも意識しましょう
先ほど、お金を払った、払っていないは経費の計上には関係ないといいました。
関係ないのであれば、万が一の事態に備えて、お金は極力手元に置いておきましょう。
有り余るお金があれば問題ありませんが、そうでなければ、分割など購入方法は色々検討するようにしましょう。
節税のために中古車を一括払いで購入して、後に資金繰りに窮していたのでは何をしているのかわかりません。
節税も大事ですが、お金、キャッシュフローはもっと大事です。
まとめ
フェラーリやランボルギーニどうこうと書きましたが、実際の税務調査では、調査官によって、指摘する人としない人、会社によっては、指摘される会社とされない会社はあったりするもんです。
また、指摘されても、これらの車は売却時に買った時より高額で売れる場合も多いようなので、事業として使いつつ投資目的を理由にする方もいらっしゃいます。
でも、投資目的であれば、減価償却費で経費計上できないのでは?と個人的には思うので、リスクのある理由かなとは思います。