個人の税金

年末調整で寡婦控除は忘れやすい【過去5年分OKなので、確定申告をして還付を受けましょう】

2020年2月12日

業界の方でも本当に忘れやすい寡婦(寡夫)控除。

普段接している経営者の方とお話ししていると、その方や、近くの方が離婚した話は少なからず耳に入ってくるので、年末調整なり確定申告の時にこちらから聞き取りしたりしますが、その会社に勤める従業員さんのことまでは正直分かりません。

その方が、年末調整の時に配布する扶養控除申告書にちゃんと記載していてくれたら問題ないんですけど、大体がなにも書かれていないため、そのままスルーしていることが多いかと思います。

なので、今回は下記寡婦控除の疑問などについてまとめていきたいと思います。

 

はてな

そもそも寡婦控除ってなんなん?

なぜ忘れやすいのか

忘れていた場合の対処

 

該当する方は、読み進めていただければ、寡婦控除について理解ができると思いますので、是非、ご自身の源泉徴収票を確認してみましょう。

過去ずっと忘れていた、知らなかった場合、結構な税金が返ってくるかもしれません。

 

注意

令和2年以後(給与所得者は令和2年分の年末調整)から、未婚のひとり親も寡婦(寡夫)控除できるようになったり、これまでの控除額が改正されています。

この記事は、令和元年分までの寡婦控除を忘れていた方を対象に、まとめて税金を返してもらいましょうの趣旨で書いています。

令和2年以後は要件や控除額が改正されているので、くれぐれもご注意ください。

 

そもそも寡婦控除ってなんなん?

寡婦控除を受けられる方というのは、前提となる条件があります。

簡単にいうと、前提条件は、離婚して再婚していない方が対象になる可能性があるとの理解で良いと思います。
その後、子供を含む扶養親族の有無や所得要件を確認しなければいけません。

下記、寡婦控除についてのフローチャートなので、これに従って確認していただければOKです。
ただし、フローチャートでも専門用語で分かりにくいところもあって、ここで逃げられると内容の理解ができないので、すこしだけ補足説明させてもらいます。

 

「平成 24 年版フローチャートでわかる所得税の実務」正誤表より

 

 

扶養親族の有無

寡婦控除の前提条件として、離婚して再婚していない方が対象になる可能性があるといいました。しかし、子供を含む扶養する親族がいなければ、控除対象者としてはみてくれません。

例として、いわゆるシングルマザー、シングルファーザーは、後述する所得要件をクリアすると、寡婦(寡夫)控除できることになります。

一方、子供がいなくても、ご両親を扶養しないといけない場合もあるかと思います。その場合も扶養親族の要件を満たしていることになります。

ただし、子供を含む扶養親族の方について、所得要件があり、38万円以下となっています。
これは、額面の金額ではないので注意してください。

給与収入だけを前提にすると、年収103万円以下の方が対象となります。

なお、フローチャートでも分かるかと思いますが、寡夫控除については、扶養親族は子供でないといけませんので、女性の方を対象とした寡婦控除よりも要件が厳しくなっています。

 

所得要件

ここはでの所得要件は、ご本人の話です。

また、給与収入だけを前提にすると、年収6,777,778円以下の方が対象となります。

例えば、年収300万円のシングルマザーの方なんかは、寡婦控除が受けられることになります。

 

該当したときの控除額

女性に限定した、特定の寡婦に該当すると、控除額は35万円となっています。

年収300万円のシングルマザーの方はここに該当するので、35万円の所得控除(住民税については30万円)が受けられます。
この場合、受けるか受けないかで、所得税率5%、住民税10として、ざっくり4.7万円ぐらい税金が変わってきます。

寡婦(夫)の所得控除については、27万円(住民税については26万円)です。

 

なぜ忘れやすいのか

ここまで読んでいただくと、なぜ忘れやすいのか、なんとなく分かりますよね?

一つは判定がちょっと複雑であることと、もう一つは、離婚や死別、行方不明なんか、ちょっと聞きにくい事情です。ご本人の申し出がない限り分からないですよね。

耳に入ってきたことに関しては、我々も確認しますが、関与先の従業員さんのこととなると、ほとんど入ってきません。

このあたりの問題は、自社で給与計算や年末調整をやっていると、クリアになるのかもしれませんが、税理士事務所や社労士さんに任せていると、忘れてしまっている、知らなかったという状態になっていることが多いと思います。

 

忘れていた場合の対処

ただ、忘れていたとしても、救済措置みたいなものはあるので、安心してください。

ずっと忘れていても5年間さかのぼって還付申告を出すことができます。
具体的に、2019年の還付申告は2020年1月1日~2024年12月31日まで可能です。

逆にいうと、2020年12月31日までに還付申告ができるのは、2015年分です。
これまでの分をまとめて還付申告をしようとする場合は、2015年以後の分が対象です。

寡婦(夫)に該当する方で、忘れていた、知らなかった方は、今年の分と併せて5年分の還付申告をまとめてしましょう。余分な税金を納めている状態だったら、結構な還付が期待できるはずです。

ただし、その間、ふるさと納税や医療費控除のために確定申告をしていた場合は、還付申告ではなく、更正の請求という手続きになるので、期限が若干異なり、当初の申告書の提出日から5年以内となります。

詳しくは、税務署に行けば、教えてくれます。
いまはちゃんとやさしく教えてくれるので、相談してみてください。

 

まとめ

ちょっと前に、年末調整をお手伝いしている会社で、寡婦控除について、たまたま気付いてということがありました。

その方も過去5年分の還付申告をして、結構な税金の還付を受けることができたようです。

内容を理解して、無駄に税金を納め過ぎないようにしましょう!

 

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