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財務は、毎月の試算表からやってみましょう【どんぶり勘定やめませんか?】

2020年1月22日

今回は、中小企業経営者のなかでも、毎月の試算表の重要性がいまいち理解できないため作成していない、今まで毎月の試算表を継続して作ったことがない、これから法人を設立していこうと考えておられる方の参考になれば嬉しく思います。

みなさん毎月の試算表が必要なことぐらいよくわかってるんだと思います。
でも、毎月の試算表がなぜ必要なのか。

毎月の試算表が必要な理由として、「金融機関からの融資の際、提出を求められるから」、「資産と負債、利益の状況を確認するため」、「これからの経営を考えるため」など色々答えがあると思いますが、そんなカッコイイ理由ではなく、シンプルに「どんぶり勘定をやめるため」で良いと思ってます。

わたしは毎月の試算表は、どんな会社でも必要とは思っていません。でも毎月試算表を作っていたという時期や経験は絶対必要だと思っています。
なので、毎月の試算表を作成してたが、うちの会社は毎月ではなく、2、3ヶ月に一度で良いかなとか、自社の状況に合わせた程度加減が理解できている方について、わたしは、それでOKだと思います。

理由は、毎月の試算表を作成した経験などによって、どんぶり勘定を脱していると考えられるからです。一度、きっちりした習慣が身に付くと、普通はどんぶり勘定には戻れないはずです。

資金繰りに時間を取られたくない、金融機関からの融資をスムーズに受けたいなど、財務を強化したい場合も、まずは、どんぶり勘定を脱却するために毎月の試算表を作成することから始めましょう。

試算表の重要性をわかっていただくために、毎月の試算表を作ったことがない、どんぶり勘定の会社はこんなことが起こっているという事例を紹介します。

 

どんぶり勘定の会社は、経営者の感覚だけで経営している

たまに預金通帳を眺めながら、今月の売上はいくら、人件費などの固定費はいくら、返済は…というざっくりした感じで経営をしています。

感覚は大事です。でも感覚だけで良いのでしょうか。

スタートアップの時期や、あまり動きがないような会社ならそれでも良いのかもしれません。
でも、正確な判断ができるよう、正確な数値は理解しておくべきです。

正確な数値が把握できていないと、正確な判断ができないため、こんなことが起こりえます。

チャンスって突然起こりますよね。そういうチャンスって即断即決できないと逃してしまうケースも多いものです。
また、チャンスですよって名乗るわけではないので、それが会社にとって本当にチャンスなのか、そうでないのかわかりません。

会社にとってチャンス(良い話)なのか、そうでないかの判断は、正確な数値が把握できている経営者にしかできないはずです。
どんぶり勘定経営者は、売上が上がればチャンスと思っているところがあるので、なんでも受けがちで、結果的に損している、本当は受けなかった方が良かったことにも気づかないまま経営している可能性もあります。

良いビジネスだけを正確に判断してチャンスを掴めるように、準備しておくことって大事ではないですか?

 

決算のときにはじめて赤字だと気付く

資金繰りが毎月なんとなく回っているため、少しは利益が出ているのかなと思っているのでしょう(本当は赤字に気付いているのかもしれませんが・・・)。

赤字で資金繰りが回っているのは、金融機関からの借入金があるためで、会社の経営がうまくいっているわけではありません。
赤字の補填を金融機関からの融資で誤魔化していると、いつかお金が無くなって資金が回らなくなります。

毎月の試算表を作成していれば、月単位での状況が確認できるので、普通なら赤字改善のための方針を考えるはずです。一年に一回考えるのか、毎月考えるのか。どっちが良いかわかりますよね?

言い方を変えると、決算のときにはじめて赤字に気付くということは、一年に一回しか経営をしない、一年間経営者としての仕事はしないと決めているのと一緒ではないでしょうか。

 

ムダな資金繰りの時間

これも一年に一回論につながるんですが、決算では黒字だったのになぜか資金繰りは苦しかったというケースも多いのではないでしょうか。

その原因がわかるのが一年後だと、ずっとわからないまま一年間、黒字なので融資は比較的簡単に受けられるはずなのに、ムダな資金繰りの時間を過ごすことになり、時間の浪費につながります。

毎月の試算表があれば、資金繰りの状況が確認できるので、取引条件の検討や融資を受けるべき時期というのが見えます。

資金繰りを考える、資金繰りに費やす時間は、経営をしているという感覚になりますが、残念ながら経営ではありません。


経営は将来の会社の方針などを決めるものです。

 

融資を受けるタイミングを逸している

融資を受けることができる、受けやすいタイミングというのがあります。

その時期に融資の相談をすべきなのに、毎月の試算表を作っていないと、そのタイミングがわかりません。

財務基盤の弱い中小企業は、融資はいつでも受けられるわけではないので、財務、経営状態をタイムリーに把握しておいて、借りやすいタイミングで資金調達しておくことが重要です。

 

まとめ

毎月の試算表って簡単にいいましたが、人がいない、時間がない、中小企業にとって、なかなか難しいことなのは理解しています。

今は、クラウド会計の導入で、試算表作成までの労力を、かなり削減できるので、検討してみてはいかがでしょうか。
また、毎月の試算表ができたとしても、読み方がわからない場合もあります。
そのときは関与している税理士にどんどん質問しましょう。

財務体質強化の第一歩は、毎月の試算表から。脱どんぶり勘定というお話でした。

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