銀行融資

えっ!これが資金使途違反!?

2019年12月12日

金融機関とのお付き合いで、気をつけないといけないのが、資金使途違反です。

たまに軽く考えている経営者の方がいらっしゃいますが、資金使途違反は、金融機関との融資契約違反です。

契約違反なので、一括返済を求められることも多いんです。
仮に一括返済は免れても、次回以降の融資には応じてくれないでしょう。

資金使途違反は、融資を受けることができる権利を自ら手放してしまう行為であることを認識していただきたいところです。

 

融資を受けると、借金が増えますが、お金も当然に増えます。

最近、この、お金が増えたという感覚、喜び?が資金使途違反のきっかけになって、危険なんだろうなと思います。

お金を手にすると使ってしまうという性格の方は本当に注意しなければいけません笑

 

具体的な資金使途違反は、運転資金として融資を受けておいて、高価な車を買ったりとか、設備投資資金として融資を受けておいて、設備投資には使わずに交際費など日常のお金として使うことは資金使途違反です。

このあたりは誰もがイメージできますが、知らず知らずパターンもあります。

例えば、運転資金で融資を受けておいて、こんな事になっている場合は要注意です。

知らず知らず資金使途違反

  • 経営者自身の貸付金や、使途が明らかにならないような仮払金が増えている
  • 役員借入金や他の債務が多額に返済されている
  • 業績が横ばいなのに、役員報酬が増加している

本来、運転資金は、売上代金の回収のあいだに発生する仕入や、固定費の支払いなどに充てられるものですが、それを「違うことに使ったのでは?」と疑われる、誤解を与える行為が知らず知らず資金使途違反です。

 

さて、今回取り上げる資金使途違反は、上記のものではありません。

設備投資資金の融資前に、当該設備投資の支払いをしてしまう行為、つまり融資と設備投資の順番が逆転してしまうのも、厳しいようですが、資金使途違反に該当するんです。

 

信用保証協会の保証付き設備投資資金の資金使途違反

前にこんなことがありました。

金融機関を通じて、信用保証協会の保証付き融資を申し込んだところ、「前回の設備投資資金の融資が資金使途違反に当たるので、新たな保証はできない。また、その資金を全額完済してほしいとの連絡を保証協会より受けた。」と回答されたとのこと。

詳しく事情をお聞きすると、融資金額と設備投資額は同額で問題ありませんでしたが、融資前に設備資金の払い込みを済ませていたことがわかりました。

えっ!そんなことが?と思うかもしれませんが、信用保証協会の保証付き設備投資資金は、融資資金の入金後に設備資金の支払いをしなければなりません。

保証協会は、この順番が逆転していることを資金使途違反と指摘していたんです。

 

設備投資資金が資金使途違反にならないようにするには?

まず、当たり前ですが、目的となる設備は事前に確認、説明していたものと同じでなければなりません。

また、融資額と設備投資額も同額でなければなりません。例えば、値引きをしてもらって、差額を運転資金にまわすこともダメです。面倒ですが、金額変更があった時は金融機関へ申し出なければなりません。

融資資金の振込後に、そのお金をそのまま設備投資資金として支払うことが重要で、先に払っておいてはいけません。

設備投資資金の融資は、厳格なルールがあることを理解しておいてください。

 

日本政策金融公庫の設備投資資金の融資

参考までに紹介します。

日本政策金融公庫の設備投資資金の融資は、設備投資額が1,000万円超であれば、設備投資実行後、すぐその結果を確認され、設備投資額が1,000万円以下であっても決算書提出時点で結果を確認されます。

ちなみに、支払について、日本政策金融公庫の設備投資資金の融資の場合は、信用保証協会ほど厳格なルールはなく、融資日と設備投資資金の支払日の前後の期間の幅は理解してくれるようです。(できれば避けた方が良いですが)

 

まとめ

信用保証協会の設備投資資金融資の資金使途違反について確認しましたが、融資日と設備投資資金の支払日がズレることが資金使途違反に該当するというのは結構厳しいですよね。

でも、よく考えると、先に設備資金を支払えるお金を持っていれば、運転資金(一般的に設備投資資金融資の方が返済期間が長いので、そちらを利用したい気持ちはわかりますが…)としての融資が適当ですし、頭金としていくらか先に振り込んでいる場合でも設備投資資金の融資額が変更になりますよね。

このあたりを考えると、やはり、資金使途違反になるのかなと思います。

先の事例の場合、まず、金融機関を通じて信用保証協会に支払日のズレが悪意のない事を伝えたうえで、(業績が良かったこともあったので)金融機関の協力を得て、設備投資分の融資は一旦完済しました。その後、運転資金の調達を信用保証協会の保証をつけてもらうことができました。

信用保証協会の寛容さと金融機関の協力があり、かつ業績が良かったことが解決できた理由でしょう。運が良かったのかもしれません。

今回は良かったですが、このような事態にならないよう、資金使途違反には十分気をつけてください。

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