久しぶりに経営指針について。
初めに断っておきます。
わたしの場合、(自身の税理士事務所だけで)会社の経営はしたことがありませんし、マーケティングや経営コンサル的な仕事もできません。
色々なお客様(経営者)の方とお付き合いすることで、見えてきたことに、著名な経営者が語った言葉や時流などを併せた、わたしなりの経営の指針です。
ここで一気に読者が離れそうですが続けます!
ただ、中小企業経営者の経験談や、著名な経営者が語った言葉などが含まれているので、めちゃくちゃ外れたことを言っているつもりはありませんが、あくまで仮説に過ぎません。
仮説、参考程度に「あ~、あの税理士がこんなこと言ってたな」ぐらいに読み流してもらう程度だと思っています。
わたしの思うことが、読んでいただいた経営者の方に、なにかに引っかかるもの、良いきっかけがあれば幸いです。
経営に必要だと思う5つの指針
シンプルな経営を心掛ける
安売りをやめて、高収益化を目指す
十分な資金を持つ
柔軟な考えで経営判断を素早くする
経営判断はハッキリする
経営に必要だと思う5つの指針
色々な経営者を見てきただけの素人が思うことです。
でも、間違っていないと思うんですが・・・
シンプルな経営を心掛ける
これは時流もあってか、わたし自身が経営する税理士事務所もこの考え方です。
シンプルな経営とはどういうものか。
例えば、お金持ちの社長さんがテレビで紹介されると必ず出てくるのが、「年商○○億円の会社社長」、「従業員○○人規模の会社社長」など規模を伝えられますよね。
そして、経営者同士での会話でも「売上」の話。「売上が前期比で増えた、減った」「売上が伸びない」など、売上や規模だけで儲かっている、大きく立派な会社と判断する傾向があります。
要するに、会社や経営者の判断基準が、売上至上主義になっているのではないでしょうか。
確かに売上も大事ですが、それを求めすぎると経営がめちゃくちゃになる可能性があります。
売上を確保するために、安売りをしていませんか?
売上を確保するために、色々なサービスを展開して事業拡大をしていませんか?
売上を確保するために、経営者自身または従業員さんが犠牲になっていませんか?
売上を確保するために、採算に合っていない広告料を支払っていないですか?
過度に売上を意識しすぎると会社の規模(実力)や採算に見合わない経営をしてしまうことが多いと思っています。
偏に安売りといっても、コストの見直しなどによるものは良いですが、安易な安売りは利益を犠牲にしているだけで企業努力ではありません。
今問題になっているコンビニやスーパーの365日24時間営業なんかもそうですよね。
元旦や、真夜中の売上に対して、人件費、水道光熱費など、採算が取れているのか疑問です。おそらく、現場の方、採算に見合っていない利益が犠牲になっていると考えられます。
大事なのって、売上ではなく、利益ではないですか?
テレビでも「利益○○億円の会社社長」と紹介したら良いのにと思います。経営者は利益にこそこだわるべきです。
いくら年商や規模が立派でも、「最終的な利益が同じなら、売上や従業員など規模が小さい方が良いやん。」こんな考えもありなのではないでしょうか。
安売りをやめて、高収益化を目指す
何度も言いますが、単なる安売りは企業努力ではありません。
ただの利益などを犠牲にした経営だと思っています。
安売りが常態化すると、薄利多売なビジネスになってしまうので、ヒト、モノ、カネはすべて売ることに費やされます。
また経営者自身も売ることを常に考えているので、新たな商品・サービスの開発の機会は少なくなり、そこからは商売、経営の発想は生まれません。
結果的にアイデアや将来の可能性を奪い去ります。
このサイクルに陥ってしまうことが多いので、中小零細企業こそ、経営の難易度が高い薄利多売のビジネスはやめるべきだと思っています。
十分な資金を持つ
お金を借りまくって意味なく借金を増やす、無駄遣いしろと言っているのではありません。
十分な資金を持っていれば、余裕が生まれるはずです。余裕が生まれれば時間が確保できます。その時間を有効に使いましょうという話です。
例えば、薄利多売のビジネスになっている場合、どこかで経営方針を転換させる必要があり、それには多少の痛みを伴うかもしれませんし、考える時間が必要になってきます。
その時に金融機関からの融資の提案を、今は必要ないからと断るのではなく、今借りれるのであれば、今借りておこうと意識してください。資金調達は、借り手の理屈は通用しないことがあることを理解しておいてください。必ずしも借りたいときに借りられる話ではありません。
また、簡易でも良いので会社のキャッシュフロー管理ができる財務機能を有しておく方が望ましいと考えます。
柔軟な考えで経営判断を素早くする
何事も計画どおりには進みません。
経営計画なんかは、過去の売上をベースに考えることが多いと思いますが、これに思わぬ下振れがあった場合、当初の計画どおりにはいきません。
「来月こそは・・・」と神頼み的な経営をするのではなく、即座に計画を見直し、削減できる経費や、支払を遅らせることを検討し、利益、キャッシュの確保を意識する経営判断をおこないましょう。
計画がすべてではありません。
当初の計画に下振れも想定しておいて、柔軟な考えで対応できるようにしておきましょう。
それには上記の話につながりますが、やはり十分な資金を確保することによる余裕、時間の確保は必要だと考えています。
経営判断はハッキリする
経営判断はハッキリ、数字を基準にしておこないましょう。
中小企業経営者の多くは、自身の経験則に基づいた感覚を大事にされていることが多いです。それが間違いとはいいません。でも少し危険かなとも思っています。
理由は、感覚や概念で経営判断すると、曖昧になってしまうことがあるからです。
極端な話、感覚や概念は、そのタイミングで読んでいた本、昨日聞いた話、昨日見たテレビ、個人的な感情で、なんとでも変化する可能性があります。
それを基準にして経営判断をしてしまうと判断が曖昧、個人的な感情で、お人好しな判断になってしまったりします。
わたしも勤務していたときめちゃくちゃ多かったのが、「あれ、前回の会議で言ってたこととちゃうな~」です。従業員は経営判断、社長指示のもとに行動するので、過去の指示はハッキリ憶えています。曖昧な判断と指示をし続けていると人材の流出を生むかもしれません。
少なくとも数字を基準にした経営判断は、感覚や概念での判断に比べ、指示がハッキリするはずです。
まとめ
色々と偉そうに書いてしまいました笑
すんません!!
全部が全部正しいことではなく、色々な逆説があることはわかっています。
わたしの経験上、ひとつの考え方として思ったことをまとめました。
一人でも、「5つのうちのひとつ」、「ひとつの中のワンフレーズだけ」引っかかったと思ってもらえると嬉しいです。