会計・経理

経理は疎かにしない

2019年12月23日

経理って本当に重要な役割だと思っています。

大企業は当然のこととして、中小企業でも業歴を重ねているところや、組織体系がしっかりしているところには経理の担当者がいる場合がほとんどです。
また、そういった経営者の多くは、経理の重要性を認識している方がほとんどなので、経理は信頼できる方を選ぶ傾向にあります。

創業間もない時に、ご自身で経理をしたり、奥さんや家族の方に任せたまま現在に至るという場合も多いです。
税理士業界では、あるあるネタかもしれませんが、奥さんが経理をしている会社は現金、キャッシュフロー管理は当然のこと、請求書や支払管理などしっかりしているように思います。(良い悪いは別として笑)

そして、経理がしっかりしている会社は経営状態が良い場合が多いというのもあるあるネタです。

経理を疎かにすると、できないことが増えます。

一つは経営判断ですよね。
いくら儲かって、いくら損したかが正確に分からなかったのでは判断の下しようがありません。

また、財務面でも影響を受けます。
正確な決算書、試算表が出てこないのであれば、貸せる貸せないの判断すらできません。結果的に表向きには貸せないの回答ですが、検討のしようがなかったというのが本音でしょう。
本来受けられるはずの融資が、検討すらしてもらえていなかったということです。

節税に関してもそうですよね。
決算直前までおおよその状況が分からなければ、節税が必要なのか必要でないのか、そもそもの判断のしようがありません。
また、決算日を過ぎてからの節税は出来ることが限定されます。

経理を疎かにするとできないこと3つを挙げましたが、ほかにも色々あると思います。
今回は、思いつくままに書くので雑感に近いですが、経理を疎かにしている場合に起こりえることなどをまとめていきたいと思います。

 

経理は利益状況を正確に把握する

経理の基本的な仕事は企業活動で発生した取引を一つずつ正確に記録して、その集合体である試算表や決算書などの財務諸表を作ることにあります。

それは正確な財務諸表からでないと、正確な経営判断が下せないから。

財務諸表は簿記の基本的な知識(ほんの少しで良いと思ってます。)があり、取引記録を正確におこなっていれば、作れます。
しかし、取引記録が抜けていたり、うっかりミスが多かったりと雑な仕事をしていると、正確な経営判断が下せる財務諸表は作れません。そこは経理担当者の仕事への姿勢や考え方、性格まで影響してくるのかもしれません。

むかし担当していたお客様で、経理担当者から代表取締役になった方がこう言っていました。

「経理は他の部署と違って、収益を生まない部署だから、無駄遣いせず、自分たちでできることは自分たちで解決しようとしていました。」

この姿勢、考え方って素晴らしいですよね。

おそらく、この方は経理の基本的な業務内容を把握しつつ、自身に与えられた仕事(役割)がどのような影響(経営判断)を及ぼすのか理解していたのでしょう。

経理は利益状況を正確に把握するためのものですが、経理担当者で重要なのは簿記の知識の有無なんかより、性格面や考え方など個人のパーソナリティなのかもしれません。
半年に一回ぐらい経理担当者が会社のお金を私的流用していたというニュースが流れるのもそうですよね。
簿記の知識、経験なんか後でついてきます。なんとなく分かっていても忙しくて教えていられない、楽になるからという理由で経験者を採用しがちですが、これから経理を採用しようとする経営者の方は採用基準を見直すことも良いのではないでしょうか。

 

資金調達でも財務諸表が重要

財務面でも当然に影響してきます。

税理士との関与を決算時の一回としている場合、忙しくて経理をしていないため、一年に一回まとめて税理士に資料を提供して決算、申告をするという会社がたまにあります。

そういう会社は、資金調達面で苦労することが多いです。

金融機関に融資を申し込んだが、断られたという話をお聞きしますが、そういった会社は経理の重要性がいまいち理解できていないため、普通のこと、笑い話程度として金融機関に経理ができていないことを喋ってしまいます。

マイナスイメージしかないですよね?
金融機関からすると、経理ができていないって言われた会社から出来上がってきた試算表や決算書は、当然に信憑性が薄いと判断することでしょう。

断られたのではなく、検討できなかったというのが本音だと思っています。

 

試算表がないと、できる節税が限定的になる

節税を考える上でも試算表は必ず必要です。

基本的に試算表が無かったら、ほんとうに節税が必要なのかも、なにが利用できるかもわかりません。

経理を疎かにしている会社では、「今年は利益出そうやから節税考えて」から現状把握のための試算表の作成に取り掛かることになり、いくつかの質問事項などのやり取りや忘れていることを思い出してもらったり、足りない資料を探してもらったりと、めちゃくちゃ時間がかかります。

決算間際でこんなことをしていると、どんどんできる節税が無くなっていきますし、税理士としては、他のお客様に迷惑がかかるような、このような急ぎでの仕事は受けたくないのが本音でしょう。

結果として、人によっては対応も適当になりますし、多くの税金を納税していたり、トラブルになる場合があります。

 

まとめ

現在ではクラウド会計など自動仕訳機能を有する会計ソフトが主流になりつつあるので、会社からすると経理担当者が必要ない時代がすぐに来るのかもしれません。

これまで経理を疎かにしていきた会社、これから創業する方にとっては、新たに経理担当者を採用するより、そのような会計ソフトの導入を検討する方が、人件費も節約できて正確に、漏れなく、素早く処理できるという良い面もあります。

経理を疎かにするデメリットを理解しつつ、改めて自社の経理を見直してみてはいかがでしょうか。

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