銀行融資

ノンバンクってどうなん!?【メリットとデメリットを理解してうえで利用しましょう】

2019年10月1日

法人や個人事業主で資金調達をする際、ほとんどの方が銀行や政府系金融機関を思い浮かべると思います。

冒頭のノンバンクを思い浮かべた方は、間違いではありませんが、最終手段と考えておいてください。

 

今回はノンバンクを資金調達の最終手段とすべき理由をみていきたいと思います。

 

ノンバンクとは?

初めに、ノンバンクの特徴を押さえてください。

ノンバンクは銀行や政府系金融機関以外の金融機関をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

預金者からお金を預からずにお金を貸すことをメイン業務としています。

例えば、昔に比べてかなり減りましたが、代表的な消費者金融、こちらは逆に頻繁にCMが流れている銀行系の消費者金融、他にカード会社のキャッシングやリース会社、信販会社などが挙げられます。

 

一昔前、ノンバンクによる過払い利息や保証人への過剰な取立てなどが社会問題になったことや、どうしても闇金と混同してしまう方が多いため、マイナスイメージがありますが、今はそんなことはありません。

ノンバンクは貸金業を営むために、国や都道府県に登録をおこなわなければならず、法律の遵守も徹底されています。

また、貸金業者登録をしているかどうかの確認は金融庁のHPの「登録貸金業者情報検索サービス」から確認ができますので、利用する際は必ず確認するようにしましょう。

 

ノンバンク利用のメリット

融資審査が早いことが挙げられます。

消費者金融などは審査時間を30分と謳っています。

資金繰り管理ができていない企業は、「月末の給料が払えない、買掛金が払えない」など急な資金が必要になる場合(資金繰り管理ができていればそんなことはあり得ませんが)があります。

こんな時に、活用できるのがノンバンクでしょう。

また、会社の経営状態が悪くなってきた時に、思うように銀行や政府系金融機関からの資金調達ができない場合でも、ノンバンクなら借りられる可能性(例えば銀行はなかなか対応してくれない売掛債権の担保融資など)があります。

 

ノンバンク利用のデメリット

金利が高い

融資審査が早いということは、審査がゆるいと考えて良いかと思います。

その分、貸す側にはリスクが大きいので、金利はどうしても高く設定されます。

現在の利息制限法での上限金利は下記のとおりです。

 

ココに注意

元本の金額が10万円未満のときの上限金利→年20%

元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき上限金利→年18%

元本の金額が100万円以上のときの上限金利→年15%

 

各社、上限金利内での貸出をおこないますが、銀行や政府系金融機関の金利と比べると高くなります。

 

融資してくれる金額が少ない

個人については「年収の3分の1まで」と総量規制されています。

 

なお、法人については総量規制はありませんが、ノンバンク1社から融資を受けられる金額は150万円ほどが限界でしょう。
なお、一度融資を受けて、返済実績をつけていけば融資を受けられる金額が増える可能性はあります。

 

また、数百万の融資を期待した融資の申し込みが、数十万の結果に終わることも珍しくありません。その場合は融資を断らずに必要であれば受けましょう。

なぜなら、ノンバンクは個人信用情報をチェックしており、この個人信用情報には融資の申し込み情報も含まれているからです

期待する融資額に届かないため、手当たり次第にノンバンクに融資の申し込みと断りを繰り返していると、その情報はノンバンク間で共有されることになりますので、どんどん状況が不利になっていきます。

 

銀行や政府系金融機関から良くみられない

これは最大のデメリットでしょう。

ノンバンクからの資金調達がわかると、これらの金融機関は、「貸して大丈夫か?借りやすいような決算(粉飾)はしていないか?虚偽の報告はないか?」など身構えることになり、より融資審査が厳しくなります。

また、会社で借りると決算書の勘定科目内訳書から、個人で借りると個人信用情報を見ればすぐにわかります。

ノンバンクでの借入がありながら、銀行や政府系金融機関から資金調達をする場合は、ありのままを正直に話すことが重要です。

変に取り繕って嘘を言ったところですぐにわかりますし、心証がとても悪くなります。

 

融資の方法によっては取引先にバレる可能性もある

ノンバンクの融資には不動産や売掛金を担保にできる融資があります。

不動産担保は銀行などでもよく聞く話ですが、売掛債権も担保にして融資が受けられます。

 

でも、これは注意です。

売掛債権担保融資は、売掛先への通知または承諾か登記簿への債権譲渡登記をする必要があります。

取引先に知られたくはないため、後者を選択することが多いですが、企業の登記情報は誰でも見ることができますので、いずれの方法を選択してもバレる可能性はあります。

 

まとめ

ノンバンクの特徴をみてきました。

個人的には、ノンバンクも資金調達先の一つとして頭に入れておく程度で良いかと思います。

法人でも個人でも資金調達先は、まず、銀行や政府系金融機関を考えてください。

ノンバンクの利用は、(外部からの)最後の資金調達手段と考えてください。

例えば、資金繰りや経営状態が悪くなり、銀行や政府系金融機関からの追加資金調達が難しい場合は、まず早めにリスケジュールをおこない、元本返済額をゼロにしてもらいましょう。

それでも資金繰りが苦しい、手元資金が不足する場合にノンバンクの利用を検討するようにしましょう。

決して、金利の低い金融機関からの借入金を返すために、金利の高いノンバンクからの資金調達だけはしないでください。

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