融資を受ける際に金融機関から求められる創業計画書は、これから展開していこうとする事業に対する「考え」や「思い」を伝え、理解してもらうために作成します。
わたしは創業計画書の作成を、お手伝いすることもありますが、出来れば、ご自身で作成する方が良いと思っています。
理由は、これから展開していこうとする事業に対する「考え」や「思い」を伝え、理解してもらうために作成するからです。
わたしが事業をするわけではないので、やはり創業者自身で作成する方が望ましいと考えています。
また、創業計画書は、作ったことがある方ならわかると思いますが、真剣に作成すれば、その過程で色々な問題が見えてきて、融資を受けるために作成したはずが、結果的に自身のためになったと感じることも多いと思います。
日本政策金融公庫HPには、業種ごとの記載例が用意されているので、それを活用すれば、創業計画書の作成自体は、それほど難しいことではありません。
ただ、作成のポイントはあります。
今回は、そのあたりをまとめようと思いますので、参考にしみてください。
目次
事業計画書とはどんなもの?書式はあるの?
まず、事業計画書はどんなものなのか確認しておきます。
日本政策金融公庫HPにある創業計画書のひな形が用意されています。
ちなみに、この創業計画書に記載すべき内容は、6つほどあります。
創業計画書自体、書式が決まっているわけではありません。
なので、上記、記載事項は必ず記載すべきものではありませんが、初めて作成する場合は、これを参考にすれば、漏れなく思いが伝えられると思います。
また、日本政策金融公庫のHPには、業種ごとに記載例があるので、こちらも参考にするべきでしょう。
詳しくはこちらをご確認ください。
融資を受ける目的と資金使途を明確にしておきましょう
当たり前ですが、なぜ融資が必要なのか、融資を受けてその資金を何に使うのか。
融資を受ける場合、その目的、資金使途は明らかにしなければいけません。
仮に適当な口実で資金を調達できたとしても、実は、その資金の使い道は制限されています。
なぜ融資を受ける目的と資金使途を創業計画書で明確にしなければならないのか?
少し大きなお金を友人に貸す場合を考えてみてください。
なぜお金が必要なのか、何に使うのか、また、聞きにくいことですが、どうやって返してくれるのか聞きませんか?
それとおなじです。
金融機関も同様にそこが知りたいので、曖昧で辻褄が合わない場合は当然貸してもらえません。
例えば、飲食店を開業しようとする方の創業計画書の趣旨は、下記のような感じでしょうか。

将来、自分のお店を持ちたいと考え、コツコツとお金を貯めてきましたが、どうしても、これだけの資金が不足するので、開業資金として融資を受けたいと考えています。
まず、業界未経験の事業を始めるのではなく、業界に精通しているという自身の経歴や、自己資金を用意している計画性をアピールします。(ともに確認されますので、嘘はいけません。)
要するに、どうせ書くならしっかり情報を提供し、金融機関にアピールしましょう。
金融機関はあなたと友人ではありませんので、あなたのことを全く知りません。
金融機関は全く知らない他人にお金を貸そうとしているので、少ない情報では当然審査にも時間がかかります。
「こんなことまで書かんでええやろ」ではなく、これも知っといてもらおうというスタンスで作成すれば、心証も良くなり、審査もスムーズにいくはずです。
資金使途違反があるので注意してください
あまり知られていないかもしれませんが、金融機関から融資を受けたお金は、創業計画書で説明した資金使途以外のことに使ってはいけません。
「お金に名前なんか書いてないねんから何に使ってもわからんやろ」と思うかもしれませんが、決算書や銀行口座の動きなどから簡単にわかります。
資金使途違反があった場合どうなる?
原則的には、全額返済を求められますが、現実的には難しいと判断されるので、そこまでは言われないかもしれません。
ただし、一度虚偽の説明をして資金調達をしたのですから信頼を失っています。
当然、金融機関にその記録は残りますので、今後は貸してくれないなど、融資に協力してくれない可能性があります。
今後、融資には協力してくれないので、次の資金調達の機会を失うということです。
まとめ
創業計画書を適当に作成して資金調達ができたとしても、そのお金の資金使途は制限されており、これから事業活動をおこなう上で、かなり厳しいペナルティを受けることになります。
この資金使途違反は、意図的ではなくてもうっかり該当する場合がありますので、是非、創業計画書を作成する際は、融資を受ける目的と資金使途を明確にしておいてください。