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居酒屋を営む個人事業主の赤字の取扱い【青色申告と白色申告の取扱いの違い】

2020年4月15日

 

緊急事態宣言を受けて、大阪府でも4月14日午前0時から5月6日までの間、各施設について休業要請がおこなわれました。

例えば居酒屋を含む飲食店には、全面休業は求めず、午前5時から午後8時までの営業、酒類は午後7時までの提供を求めています。

居酒屋を営む個人事業主の方は、お店のこと、従業員のこと、自身の家族・生活のことなど悩みは尽きないかと思います。

これは最早、資金繰り云々というレベルではないですよね。先の見通しがつかないので、解決策も見つからない悩みというかんじですよね。

 

さて、今回は居酒屋を営む個人事業主の赤字の取扱いについてまとめようと思います。

休業要請により、居酒屋で赤字がでた場合、その赤字は青色申告と白色申告でどうなるのか、それぞれのパターンのお話です。

結論としてはこんなかんじです。

 

白色申告の場合

事業用資産に生じた災害損失に限り3年の繰り越しが可能

 

青色申告の場合

事業所得の損失を3年繰り越すか、繰り戻して税金の還付を受けるかを選択できる

 

白色申告は青色申告にくらべて不利です。

ただ、いまは申告期限が4月16日まで延長されているので、期限までに青色申告の承認申請書を出せば、来年から青色申告できます。

また、期限を過ぎてしまった場合でも、新型コロナウイルスの影響による事情があれば、個別の期限延長の取扱いをしてくれるようです。

 

悩み事が多く、来年のことまで考える余裕がないかもしれませんが、来年への備えの意味でも、読み進めていただき、今後の対応の参考にしていただければ幸いです。

 

白色申告の場合の赤字の取扱い

居酒屋の経営で赤字がでると、ほかの所得と相殺し、それでも控除しきれない金額のうち、「事業用資産に生じた災害による損失等」については、翌年以後、3年間繰り越すことができます。

翌年以後3年間繰り越すことができるというのは、令和3年から令和5年までにわたって、その赤字を利用(相殺)できるということです。

 

事業用資産に生じた災害による損失等

注意することがあります。

白色申告の場合、赤字は丸々3年間繰り越すことができません。繰り越すことができるのは、事業用資産に生じた災害による損失等だけです。

要は、赤字の内訳を探らないといけません。

 

事業用資産に生じた災害による損失等の例

  1. 食材(棚卸資産)の廃棄損
  2. 感染者が確認されたことにより、廃棄処分した器具備品等の除却損
  3. 施設や備品などを消毒するために支出した費用
  4. 感染発生の防止のため、配備するマスク、消毒液、空気洗浄機等の購入費用
  5. イベント等の中止により、廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損

 

ほかの所得と相殺した後の赤字のうち、上記のような損失が、翌年以後3年間繰り越すことができます。

上記のように現実に発生した被害や損失だけが対象となるのではなく、新型コロナウイルスの感染防止のためにかかった経費も該当します。

 

逆に、事業用資産に生じた災害による損失等に含まれないものについては、こんなかんじです。

 

繰り越せない損失

  1. 休業、お客さんが減ったことによる売上の減少額
  2. 休業期間中に支払う人件費
  3. イベント等の中止により支払うキャンセル料、会場借上料、備品レンタル料

 

青色申告の場合の赤字の取扱い

青色申告の場合、赤字の内訳は関係ありません。

白色申告の場合と同じように、居酒屋の経営での赤字を、ほかの所得と相殺します。

それでも控除しきれない金額は、赤字の内訳を問わず翌年以後3年間繰り越すことができます。

 

また、前年の申告でも青色申告をしている場合、その繰り越す赤字を前年にさかのぼって相殺することで、前年に納付した税金の還付が受けることもできます。

法人については、結構使われていても、個人事業主の場合、あまりこの手続きをしません。

なので、ひとつの選択肢として、こんな税金の還付方法もあるということを覚えておいて損はないと思います。

なお、還付請求をする場合は、「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を提出しないといけないので、お忘れなく。

 

還付請求書の書き方は少し難しいので、税理士へ任せましょう。

無料でできる方法もあって、税務署なり、無料相談会に行って、還付請求をしたい旨、伝えれば対応してくれるはずです。

ただ、税理士に申告依頼していても、通常、翌年以後3年間の繰越とされるかもしれません。提案がなければ、自ら還付請求を希望する旨、伝えましょう!

 

青色申告への変更はまだ間に合います

やはり白色申告の場合、青色申告の方と比べて、ちょっと不利ですよね。

冒頭でも書きましたが、いまは申告期限が4月16日まで延長されているので、青色申告の承認申請書の提出はまだ間に合います。

もし休業要請の対応などで提出が間に合わなかったとしても、いまは個別の期限延長の取扱いをしてくれるそうです。

間に合わなかったからと諦めずに、とりあえず税務署へ相談してみましょう。

 

ただ、青色申告に変更できたとしても、残念ながら、還付請求はできませんので、ご注意ください。

還付請求ができるのは、前年(令和元年分)の申告を青色申告でおこなっている場合のみです。

なので、令和元年分を白色申告している場合、令和2年分で青色申告をして赤字がでたとしても還付請求はできないので、翌年以後3年間の繰り越ししかできません。

 

まとめ

令和2年分の確定申告のことなので、一年後のお話です。

でも、いまからできる準備はしておきましょう。

白色申告の方は、この機会に青色申告への変更をおすすめします。

 

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