法人の資金調達方法には大きく5つの方法が考えられます。
5つの資金調達方法
- 仕入先から資金調達をする
- 金融機関から資金調達をする
- 株主(経営者)から資金調達をする
- 利益の蓄積が資金調達になる
- お金以外の資産の減少も資金調達になる
ただし、それぞれの方法にはデメリットとして、コストが発生します。
一部、考え方の要素も含まれますが、資金調達方法は金融機関からの借入がすべてではないということを確認していただき、資金繰りにお役立て頂ければ幸いです
目次
5つの資金調達方法
法人の5つの資金調達方法について説明していきます。
一部、考え方の要素を含んでいますが、バカにはできません。資金繰りの考え方としては絶対に理解しておくべきです。
取引条件を見直すだけで、資金繰りが劇的に変化するからです。
是非、考え方を含めた5つの資金調達方法を確認してください。
仕入先から資金調達をする
「は?何を言ってんの?」と思った方がいるかと思いますが、順を追って説明します。
まず、法人の商取引では、掛取引が一般的です。
そこでは、信用というコストが発生しています。
掛取引とは、いわゆる「つけ」です。
1ヵ月間の取引をまとめて請求してもらい、支払うという取引です。
双方にとって便利な反面、取引数や取引規模などが大きくなると管理・支払が大変になってきます。
信用を前提とした取引ですので、少しの間違いでその信用は失いかねません。
その意味で信用コスト(間違えないように管理する事務負担)が発生していることになります。
次に、この掛取引の視点を変えると下記のような状態といえます。
step
1仕入先に支払いを待ってもらっている
step
2支払いまでのあいだ、仕入先からお金を借りている
「1ヵ月、長くても2ヵ月程度の話やん」と思うかもしれませんが、その間に発生する人件費や家賃など固定費の支払を先にできるので、結果的に仕入先からお金を借りている(実際には支払いを待ってもらっている)のです。
これは信用というコストを払った資金調達方法ですので、有効に活用しましょう。
支払期日が不当に短く設定されていれば支払条件の見直しを個別交渉してみましょう。
また、新たに取引が始まる仕入先には、支払条件を明確にしておくことが重要です。
決して、適当にしてはいけません。
金融機関から資金調達をする
これは誰もが想像できるところで、金融機関からの資金調達方法については、今後もHPやブログでまとめていきますので参考にしてください。
また、金融機関からの資金調達コストとして、利息や保証料が発生します。
株主(経営者)から資金調達をする
ここは2つの方法があります。
まず、株主から増資を受けるということについて。
この場合、株主への配当金の支払いと資本金など法人規模に応じた納税、登記手続きなどの事務負担といったコストの発生が考えられます。
そしてもう一つは、経営者からの借入について。
中小企業の多くは「株主=経営者」ですから、わざわざ上記のような資金調達をせず、手続き不要な役員(経営者)借入を選択する場合が多く、金融機関も中小企業の特性上、資本金と同様の扱いをしてくれます。
ただし、役員(経営者)借入金が膨らみ過ぎると相続税のリスクがあることを忘れてはいけません。お金を貸した役員からすると貸付金ですので、当然に相続財産に含まれますので注意が必要です。
利益の蓄積が資金調達になる
法人は営利(利益)を目的に活動していますので、当たり前の資金調達方法です。
会社と経営者の努力というコストはかかりますが、最も自由で、やり方次第で大きな可能性を秘めた資金調達方法といえます。
逆に、これができないと法人は存続できません。
お金以外の資産の減少も資金調達になる
例えば、資産の一つである売掛金などの売上債権は、「仕入先から資金調達をする」の逆バージョンです。
どういうことかというと、これも視点を変えると下記のような状態といえます。
step
1売上先からの代金回収を待っている
step
2回収までのあいだ、売上先へお金を貸している
これも仕入先の場合と同様に考えましょう。
売上債権は回収が遅ければ遅いほど資金繰りがしんどくなりますので、売ったら仕事は終わりではなく、代金回収までが仕事だと認識してください。
また、どうしても回収が遅くなる得意先で個別交渉が困難な場合には、早期回収の協力金(リベート)の支払も検討してみましょう。
また、在庫についてはさらに深刻です。
在庫は一般的に「仕入→在庫→売上→売掛金→現金」という順序でお金になりますので、資金調達が遅くなります。
よく、在庫はお金が眠っているといわれますが、この意味も含んでいます。
在庫はお金が眠っていると考えてください。
不良在庫はお金が永眠している状態です。少しでも早く、多くの売上を上げて資金調達するには、売れ筋商品の補充や棚卸を徹底しましょう。
他に車、建物や土地など固定資産の売却も資金調達になります。
まとめ
5つの資金調達方法の紹介でした。
考え方という要素はあるのかもしれませんが、考え方を変えて行動、交渉してみるだけで資金繰りがラクになるので、結果的には資金調達ができたということです。
売上債権、仕入債権、在庫は今からでも見直しできると思いますので、御社でも確認してみてはいかがでしょうか。