会社の税金 新型コロナウイルス関連情報

新型コロナウイルスの影響が大きいのに税金がでてしまった・・・【納税の猶予を利用しましょう!!】

2020年4月6日

 

3月に決算期を迎え、4月より新年度に入ったという3月決算の会社の方、多いと思います。

その3月決算の会社においては、そろそろ前期の決算内容がなんとなくでも見えてくる時期ではないかと。

たしか新型コロナウイルスが騒がれだしたのは1月中旬ごろ。
そして本格的に経済活動などに影響が出てきたのは2月、3月ぐらいからなので、まだ3ヶ月弱しか経過していないんですね。

この期間、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたとはいっても、3ヶ月弱の出来事なので、「決算上、利益が計上されてしまい税金が発生する会社」、「まだ確定していないが、なんとなく税金が発生しそうな会社」も多いのではないかと思っています。

 

例えば・・・

  1. この2月、3月の影響は大きいけど税金が発生した・・・でもいまは納付できへんで・・・
  2. 資金繰りが悪化していて、従業員の給料を払うのが精一杯。税金なんかとてもじゃないけど納付できない・・・
  3. セーフティネットなどで資金調達できたが、納税するとなくなってしまう・・・

 

このようにお悩みの方は、納税の猶予申請をしましょう。

新型コロナウイルスの影響で納税が困難な方は、税務署へ申請することで、無担保かつ延滞税が軽減又は免除され、一年間の納税が猶予されます。

今回は法人を中心とした納税の猶予制度についてまとめたいと思いますが、この制度が利用できる方は、個人もOKで、すべての税目が対象になるので、個人事業主の方も参考にしてみてください!

 

納税の猶予制度

ご存知の方も多いかもしれませんが、納税の猶予制度は新型コロナウイルスの影響が大きいから作られた制度ではありません。

むかしからあるんですね。

しかし、現在は新型コロナウイルスの影響を受ける事業者で、一時の納税が困難な方については、納税の猶予申請や税務署での審査が簡素化しているので、手続きも簡単かつスピーディに対応してくれるはずです。

 

納税の猶予制度を受けるためには?

国税庁のホームページに、新型コロナウイルスの影響で納税が困難な方を対象に、この制度を利用することについての要件がまとめられています。

 

要件

  • 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
  • 納税について誠実な意思を有すると認められること。
  • 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
  • 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。

一つ目の要件については、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者で、手元資金を納税よりも従業員さんへの給与や、仕入資金など、優先すべきところがあって、とてもじゃないけど納税にまでまわせない方が該当するのではないかと思います。

二つ目の要件について、この制度の利用には、税務署へ納税の猶予申請書を提出しなければなりません。郵送でも可能ですが、わたしは税務署へ納税相談に行くことをおすすめします。
いまはタイムリーに情報が更新されている状況です。納税相談に行くことで、会社の個々の状況を把握してもらえるので、その時々に応じた有利な制度を提案してくれるかもしれませんし、なにより納税相談に行く時点で、納税について前向きな姿勢が認められるでしょう。

三つ目の要件について、滞納がないことを挙げられていますが、すでになんかしらの税目の滞納があっても、税務署長の職権で換価の猶予(差し押さえられている財産などの換価(公売)処分を猶予してくれること)を受けられる場合もあります。
個人的には、現在の状況を考えると、2つ目の要件が前提として、滞納があったとしても柔軟に対応してくれるのではないかと思っています。

 

これらの要件を満たすことや、納付が困難であることの理由などをまとめた申請書を、納期限から6ヶ月以内に税務署へ提出します。

なお、納期限について、令和元年分の申告所得税、贈与税、個人事業主の消費税については、延長後の納期限である4月16日となります。

 

申請書の記載について

申請書と記載方法については、こちらからどうぞ。

記載事項としては、納税の猶予を受けようとする税金の内容や、納付することができない事情、いつごろにいくら納付するといった納付計画を立てます。

記載方法を確認しても、税金の内容や金額が、わからなかったり、納付計画の見通しがはっきりできない場合は、納税をすることができない売上の資料(請求書綴りや請求一覧表など)や、資金繰り表(なければ、直近の試算表や通帳など)といった状況説明ができるものを持参し、管轄の税務署の徴収担当に連絡のうえ、相談に行かれることをおすすめします。

また、現在は、納税の猶予を受けることについて、申請書など書類の準備ができない、時間がかかる場合は、口頭での対応も可能なようです。

 

例えば3月決算会社の場合は?

step
1
5月末までに決算・申告により税額が確定する

申告と同時に、納税の猶予申請書を提出するか、直接、税務署へ納税の猶予相談にいく。

ちなみに国税だけではなく、事業税などの地方税についても、管轄(税務署ではなく都道府県税事務所であったり、市税事務所など)は違いますが、同じような納税の猶予制度はありますので、そちらも併せて利用を検討しましょう。

 

step
2
本来、5月末に納付予定の法人税・消費税の納税をMAX1年間猶予してもらう

例えば、この5月納付予定分について、納付計画の見通しが立たず、全額来年5月まで納税の猶予をしてもらった場合、来年の5月は2年分の税金を納めないといけなくなります。

当然に2年分の納税は困難になることが予想されるので、これについては現行の納税の猶予制度(新型コロナウイルスの影響による納税の猶予制度ではなく、従来の制度)の利用を検討しているようです。

 

まとめ

3月に決算を迎える会社は、この3ヶ月間、大きな影響を受けたとはいえ、やはり3ヶ月間です。

全体の数字でみれば、利益がでて、税金が発生する企業も多いのではないでしょうか。

そんなときは、たとえ納税できる資金が手元にあったとしても、先行きが不透明な今後のために少しでも手元に資金を残しておく方法をご検討ください。

 

幸い、延滞税も免除されることが多いので、デメリットはありません。

資金繰りを第一に考え、今期の納税は少しずつ分納という納付計画を立て、少しでも長く手元に資金を置いておくことを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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